不用品出張買取とクーリングオフ

日常

昨日、不用品出張買取業者から電話があった。
「お洋服とかアクセサリーとか、何かお売りいただけそうな物ありますか?」

いっぱいある。特に洋服が。
この手の電話は色んな出張買取業者からしょっちゅうかかってくる。
いらない物は山ほどあって買い取って欲しいのは山々なんだが、
まだ整理ができていないタイミングで来られのはウザい。
だから大概、またにして下さい、と冷たくあしらうのだが、
昨日はどういうわけか、来てもらってもいいかな、という気になった。

やって来たのは30歳(自分でそう言っていた)のお兄さん。
自分は、洋服とかアクセサリーとかバッグとか切手などなどを引っ張り出して来た。
で、全部で13,500円になった。
この中に1点だけブランド物のバッグがあって、それが12,000円なのだが、
あとは全部まとめて1,500円ぽっち。
まあ不用品の買取なんてそんなもんだ。
アクセサリーは貴金属のものは随分前にほとんど売ってしまったので、
おもちゃのようなものしかなかったし。

買取金額についてではなくて、このお兄さんとのやりとりの中で、
ちょっと(かなり?)モヤっとすることがあった。

このお兄さん、最初の印象は悪くなかった。爽やかで愛想がいい。
愛想がいい相手に対しては、自分も愛想よく感じよく振る舞えるものだ。
なので自分も、にこやかに対応した。

物を見せていただくのは玄関口で結構ですので、とあらかじめ電話で言われていたけれど、
自分も寒いし、立ったままあれこれ見てもらうのが嫌だったので、
部屋に入ってもらうことにした。

自分があれこれと持ち出して来たものを見るうちに、
なんとなくこのお兄さんの態度が微妙に変わってきた。
すごく感じ悪いわけではないんだけど、なんとなく、こちらのことをちょっとバカにしてる?
みたいなニュアンスが話し方から徐々に伝わってくるのだ。

あからさまに失礼な言動があるわけではないのだけれど、
ちょっと上から目線というか、こちらを見下しているような感じが
言葉や態度の端々からチラホラ見えてくる。
それがなぜなのか、理由はよくわからない。

自分がこの家に一人で住んでいることは、軽い会話の中でサラッと伝わっている。
それなのに、普段お客に接する時の癖なのか、私のことをつい「奥さん」と呼んでしまうらしい。
まあ世の中そういう人が多いからその点は別に気にしない。
自分ぐらいの年齢の女性は、世間一般的に大概が主婦「奥さん」なのだ。

癇に障ったというか、グサッときたのは、こう言われたことだ。
「ここで一人で何やってるんですか?」
「寂しくないんですか?」
「友達とか呼んだりしないんですか?」

そうか、自分のことをよく知らない人から見ると、自分はただの、
「いい歳して一人ぼっちで暮らしている可哀想な孤独で寂しい人」
にしか見えないのだなぁ・・と思って、ショックだった。。
そんなに負のオーラを発してるつもりはないんだが…

ところで、うちの玄関ドアはバネが壊れていて、閉める時に手を離す際、
バネが効かず、バタン‼︎となってしまうことは、随分前にブログに書いた記憶がある。
お恥ずかしいのだけれど、それを直してなくて、ずっとそのままなのだ。

宅配便のお届けとかご近所さんとかが家に来て帰る時は、
みなさんそんなこと知らないから、バタン‼︎となってしまうことも結構ある。
なので、あらかじめ、「ドアが壊れてますのでお気をつけて…」と伝えたり、
自分がドアの側まで行って、ドアを閉めたりしている。

買取業者のお兄さんにも言った。
だから最初、家に入る時は気を付けてもらったので、バタン‼︎とならなかった。
帰る時も言ったのに。
気を付けるのを忘れたのか怠ったのか知らないが、バタン‼︎となった。
別にいいのだ。仕方のないことだ。自分は、そんなことで怒ったりしない。

ただ大抵の人は、バタン‼︎となったあと、「すみません、、」と言うのだが、
お兄さんにはそれがなかった。それどころか、
「あはは〜、これ面白いですね(^ ^)」と言うではないか。
これにはさすがにカチンときた。
お兄さんには、私を大切なお客様として扱うという意識が完全に欠如してしまったようだ。
ムカついたが、そんな態度は少しも見せずに、自分は最後まで感じよく振る舞った。

お兄さんから言われた言葉や、ドアのバタン‼︎に対して「すみません」がなかったこと、
などが気になって、昨夜はずーーっとモヤモヤしていた。
モヤモヤしたまま床について、モヤモヤしたまま目覚めた。

お兄さんのこと以外に、もう一つモヤっとすることが。
それは12,000円の買取金額がついたバッグのこと。
これはルイ・ヴィトンなのだが、自分で買ったものではなく、頂き物なのだ。
こじんまりした会社に勤めていた頃、私をとても可愛がってくれた社長の奥さんから頂いた。
亡くなられた娘さんが使っていた物だ。
「ももこさん、これよかったら使って。
 ももこさんみたいなお若い人の方が(当時はまだ若かった)似合うと思うから。
 でも、売ったりしないでちょうだいね(^_^)」
そう言って奥さんがくださった物なのに。

自分はそれを、たかが12,000円のために売ってしまったのだ。
もちろん、奥さんの言葉を思い出して、売ることに迷いはあった。
お兄さんが、これを一番手に入れたがっていることはわかっていた。
「ヴィトン、どうしますか?」とたびたび聞いてくる。
お兄さんが帰る直前まで悩んだ。
これが、昔つきあっていた男からの貰い物とかだったら、
躊躇なくサッサと売っ払っただろうに。

実はもうだいぶ前だが、ひどくお金に困った時があって、
その時も「売っちゃおうか…」と悪魔の囁きがして、
買取業者に持って行って査定してもらったのだ。そしたらその時は、8,000円と言われた。
なので、12,000円なら8,000円より全然いい、みたいな頭になって、
売る方向に気持ちが傾いてしまったのだと思う。

朝起きると、奥さんの顔や言葉浮かんできて、良心が痛み、後悔の念に襲われた。
ダメだ、やっぱりあれは売れない。返品してもらおう。

お兄さんに対するモヤモヤは、怒りに変わっていた。
お兄さんは、例え私がどんなに孤独で寂しそうな人に見えたとしても、
そんなこといちいち不躾に言うべきではなかった。
悪気はなかったのかもしれないけど、年長者のお客に対する礼儀知れずで、失礼だ。
ドアだって、バタン‼︎となっちゃったら、せめて「すみません」ぐらい言え。

お兄さんはクーリングオフを恐れていた。
「クーリングオフはやめてくださいね。
自分、〇〇県(隣県)からまた来なきゃならないですから。
てか、クーリングオフしないでくださいって言っちゃダメなんですけどねぇ、あはは〜」
と言っていた。

お兄さんが置いて行った簡素な契約書を見ると、クーリングオフが可能と書いてある。
私は、買取業者に電話して、「クーリングオフしたいんですが」と告げた。
昨日とは別人のような私のキツく冷ややかな口調に、お兄さんはオロオロしているようだった。
来週、返品に来ることになった。これでスッキリだ。

でも自分は、お兄さんに言われた言葉が、なぜこんなにもグサッときたのだろうか。
それは多分、「おひとりさま」であることへのコンプレックスに違いない。
もし自分が、100%何の迷いも悩みもなく、この歳で「おひとりさま」であることを
楽しみ、幸せを感じているのであれば、お兄さんがあんな風に言ったとしても、
「ここで毎日引きこもって、株取引したりブログ書いたり本読んだりピアノ弾いてるの♪
 少しも寂しくないし、楽しくて幸せで結婚したいなんて全然思わないわ(^_^)
 友達? 別に友達なんていらない。一人が好きだから」
そう、堂々と返せたはずなのだから。

孤独と自由は背中合わせ、とは、よく言ったもんだ。
ひとりでいることは、自由だし楽しい。
ただやはり、時には、言い知れない寂しさを感じてしまうことも、また事実なのである。

うわ、今日はずいぶん長文になってしまった。

コメント

  1. にゃんた より:

    あら、嫌な思いしちゃったね。
    大事なのは静かな生活なのに迷惑な業者、引いちゃったね。

    ヴィトンのバッグ売っちゃうこと自体は問題ないんじゃない。
    今まで持つことで十分切りは果たせてると思うよ。
    クーリングオフで、またそのやな感じの人と会わなきゃなんない方が心配になっちゃうよ。

    • ももこ より:

      そー、なんか、今の自分の心地いい生活を否定されたような気がして
      気分悪かったです。。

      バッグ、売っちゃってもいいと思いますか?
      にゃんたさんがそう言うなら、それでいい気がしてきました😊
      でももう来てもらうことになっちゃったからな。また連絡するのめんどくさい(^^;
      今度は家に上げないで玄関で対応します。
      ご心配ありがとうございました☺️

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